Loved real kyoto 匠
株式会社 大醐 代表取締役 坂口 朋弘

着物を身に纏い、成長に感謝する。そんな伝統文化の大切さを伝えたい。

京都醍醐、滋賀大津に店舗を構える写真館・貸衣裳『スタジオ醍醐』。起業して25年、地域の人々に愛され続け、今では三世代にわたって利用する人もいるほど。人気の理由は、小さなことでも相談に応じるきめ細かな接客と、もともと呉服問屋からはじまった店だからできる、そのサービス内容。着物はトレンドを押さえた新作を毎年仕入れており、その数は店頭に並びきらないほどの充実ぶり。そして何より、確実に手元に届くよう、利用はシーズンあたり一着一名に限っているという。「お客様との信頼関係を何よりも大切に考えてます。例えば成人式であれば、２～３年前からご予約をいただく場合もありますが、予約が入った時点でその振り袖は、小物も含めた一式をそのお客様だけのために保管して、店頭には一切出しません」。そう話す社長の坂口朋弘氏は、「割の合わない商売ですよ」と破顔するが、そこには、記念日を祝う人たちを優しく見守り、サポートしたいというひたむきな想いが感じられる。「美しい着物を身に着け、記念写真を撮れば、遠くに暮らすお祖父ちゃんお祖母ちゃんにも連絡を取りますし、会話も増えますよね。節目節目で子どもの成長を祝うことは、家族の絆が深まる絶好の機会でもあるんです。無事成長できたこと、健康であることに感謝して氏神様に手を合わせる。コロナが流行したこの時期だからこそ、必要なことだし、後世に残したい大切な習慣です。それを伝えていくことが私達の使命だと思っています」。